2022年の一冊目。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
というか帰省先に持っていって読む本として、積読の山からあえてのこちらを選び取る自分が痛い。
「背徳についての七篇」。全員淫らで、人でなし。
安野モヨコさん選出のこのシリーズは、これまで全然読んでこなかった作家に触れる機会を得られるので、すごく文学世界が広がる気がする。
いずれの短編でもそうだけど、大正〜戦後ぐらいにかけてまでの妾の存在感のなんと色濃いことよ。妾腹(しょうふく)という言葉を初めて知った。読んでいたのがちょうど雪の降る日だったので、特に最後の「雪」はすごく胸に迫ってくるものがあって、河野多惠子さんの作品はもっと知りたいなと思った。
大晦日の朝から読み始めて、戻りの新幹線のなかでキリよく読み終えた。
ここ最近で考えてることなんだけど、東京から地元へ行くのと、地元から東京に行くの、どっちが私にとっての「帰る」なんだろうなぁ。そのいずれにも帰りを待っててくれる人がいるというのは、たいそう恵まれてることなのだろうね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2022年1月11日
- 読了日 : 2022年1月8日
- 本棚登録日 : 2022年1月8日
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