木瓜の花 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1981年1月1日発売)
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感想 : 8

めちゃくちゃ面白い。
500ページくらいある内容にもかかわらず、一気に読めてしまう。

商売、特に客商売(中でも水商売)を少しでもかじったことのある人ならば、誰しもその主人公や主人公を取り巻く人々のキャラクターの精密さに舌を巻くはず。

老人性の痴呆症や、お金の話、人間関係のいざこざなど、人間の卑しい部分や暗い部分に混じって、戦前・戦後の富裕層・礼儀・人々の服装や金銭感覚といったカルチャーの変わり方といった風俗の描写が丁寧に描かれている。

親友の蔦代によって、否が応にもあぶりだされる主人公正子の、過去と、その時の揺れ動く感情が丁寧に、臨場感を持って描かれている。

視点人物の移動もスムーズで、大変面白い小説だと思う。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(日本・女性)
感想投稿日 : 2011年11月28日
読了日 : 2011年12月2日
本棚登録日 : 2011年11月28日

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