遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (2) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2017年9月23日発売)
3.82
  • (5)
  • (8)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 153
感想 : 12

浅見光彦は最後まで、周囲から「旅をつづけなさい」と勧められる。これは筆者が読者の代弁をしてくれたのだと思う。
ノイズの少ないすらりとした容姿に圧の少ない、パーソナリティ。浅見光彦にはスムーズに没入できる。非日常の旅・ロケーションに非日常のミステリー、深入りする一歩前の恋愛。みんなに愛され続ける浅見光彦の旅が続いていくよいエンディングだと思った。

年代の近い?西村京太郎先生の後期の作品とも類似するが、キーパーソンとなる老人が登場して、若い人が真剣に話を聞くという場面が本作にも多く見られた気がする。
年齢を重ねた姿は、年齢を重ねてみないと感得できないと聞くが、見て見ないふりをしているだけなのかもしれない。
ラスト(かもしれない)・メッセージをキャラクターに重ねて語るとしたら、自分は何を語るのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月10日
読了日 : 2022年7月10日
本棚登録日 : 2022年7月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする