P41 人というのは、誰でも一度だけドラマの主人公になる時がある。そしてその興奮と熱風の最中に一生が決まり、やがて静かに後悔という冷えが始まるのだ。

読書状況 いま読んでる

ラストがかっこいい。詩のようだ。

さらば! 長かった冬の日々よ。さらば、冬の妖精悪鬼どもよ。もう二度とまみえることはあるまい。(ないといいな。)おれは喜んでお前たちを置き去りにしよう。お前たちとかかずりあった日々を昔の語り草としよう。さらば、おれはもはや別人だ。お前たちの愚弄に甘んじていたのも過去のこと。お前たちの勝手なる日々は去ったのだ。新しき季節の中にお前たちは影を落とせぬのだ。去るがいい。お前たちにふさわしい冬へとおめおめ退くがいい。次なる受難者がお前たちに挑もうと冬のとばくちに立っているのが見えるだろう? さあ、行って存分にいたぶるがいい。おれにまとわりついてももはや無駄だ。とうとう俺を打ちのめせなかったお前たちの落胆をせめてもの餞別に、おれは新しい日々に踏み出そう。祝福だ。さあ、もういい。おれは十分に語った。ここらが潮時だ。さようなら。

……そうそう、今でも流れているはずのあのラインに、せめて祝福のおこぼれを!

2015年7月16日

読書状況 読み終わった [2015年7月16日]
カテゴリ 小説

朝比奈さんの他の著作に比べると物足りなく感じるけれど、主人公のイライラ、うまくいかなさが伝わってきて、こちらもイライラさせられて、そういう部分は巧みだなあと感じた。

2015年7月2日

読書状況 読み終わった [2015年7月2日]
カテゴリ 小説

P181 いつの日かあなたにも、泣きじゃくる日がくるかもしれない。どうしようもなく、ふるえる日がくるかもしれない。誰かを憎んだり、失くしたり叶わなかったり裏切られたり傷つけられたりして、このまま世界が終わってしまえばよいと本気で願う日がくるかもしれない。
 その時あたしが、あなたの横に居られることを、今から祈ろう。あたしがあなたのために一日でも永く生きられることを。健康でいられることを。あたしがあなたのために一日でも永く生きられることを。あたしが、あなたへ吹きつける風を、すこしでも和らげてあげられるよう。そして、求められた時には、「なりふり構わずに」あなたを守れる強い自分であるように。あなたのぶんも、あたしが祈る。
 だから、今は安心しておやすみ。
 雨の朝生まれた、あたしだけのこども、美雨。

ありがちな感想かもれないけれど、それぞれの「うまくいかなさ」を抱えながらも一生懸命生きようとする人を真っ正面から捉えて描き上げて行く朝比奈さんの姿勢に、いつも感銘を受けます。

2015年7月2日

読書状況 読み終わった [2015年7月2日]
カテゴリ 小説

P212 文学もそうだ。私は、文学に対して片思いでいい。世界に対してそうであるように。勝手に愛させてもらえればいい。自分にとって面白く感じられる愛し方を見つけるために、読書をしたり、文章を書いていったりする。いつも章句物に対してそうしているように。

2015年7月1日

読書状況 読み終わった [2015年7月1日]
カテゴリ エッセイ
読書状況 読み終わった [2015年6月22日]
カテゴリ 小説
読書状況 読み終わった [2015年6月18日]
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読書状況 読み終わった [2015年6月18日]
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読書状況 読み終わった [2015年6月17日]
カテゴリ 小説
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