8月15日の読書:かたづの! 中島京子
Amazonより
『慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊(かもしか)が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角―南部の秘宝・片角となる。平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいた―。次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記!』
江戸時代を通してたった一人しか存在しなかった女城主(女大名)の、波瀾に満ちた一代記である。
そして、一本しか角のない羚羊と彼女の、種を超えた友情と信頼の物語である。
河童も味を添えている。
これは史実に基づいたファンタジーなのである。
少しだけ土地勘があるので、地図を見ながら、地名を確認しながら読んだ。
次々と家族を亡くしていく彼女の人生は、過酷だ。
しかも原因はわかっているのに、本家には逆らえない。
しかし、彼女は負けない。
守るべきものは何か。
そのためには何をすればいいのか。
家族の幸せ、家臣の安寧は彼女の肩にかかっている。
そんな彼女を見守り、支えるのが片角だ。
どうやって?
それはこの本を読むしかない。
だって理屈じゃないんだもの。
濃密な想いと想いが重なって、歴史は紡がれていくんだなあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年8月27日
- 読了日 : 2019年8月15日
- 本棚登録日 : 2019年8月27日
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