悪の教典

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年11月14日発売)
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感想 : 364
5

怖かった、怖かった、怖かった~!!

映画の予告を見たことがあるので、なんとなくわかってはいたのよ。
若くて子どもたちに人気のある爽やかな青年教師が、学校を舞台に大量殺人をする…らしい話であることは。
だから何となく、行き過ぎた正義感が先生を豹変させたとかなんとか、そんな話かと思っていたら、全然違いました。

読み始めこそ爽やかが溢れていましたが、第一章を読み終わることにはすでに「この先生おかしい」と思う。
まあ、この学校の先生達はそろいもそろって変な人ばっかりなんですけどね。

先生が大量殺人をする理由。
これが実に自分勝手。
自分の思うとおりにならないことは排除していく。

常識的に考えても能力的に考えてもこんな極端なことはできないけれど、自分が絶対で、他人を思いやることがなく、排他的で攻撃的な人って割といる。
どんなに言葉を尽くして話しても伝わらない人っている。
徹底的で圧倒的な断絶。

たぶん作者が書きたかったのはそういう恐怖だと思うんだけど。
私も途中まではそれが怖くてしょうがなかったんだけど。

今日の昼休みに残り200ページくらいのところから読み始めたのね。
大量殺人が始まるところ。
あくまでも先生を信じる生徒たち、先生の恐ろしさを知って何とか生き延びようとする生徒たち。
友だちの仇を取る。好きな子を守る。ヒーローになる。
そんな子どもたちをあざ笑うかのように淡々と自分のクラスの生徒たちを殺していく先生。
怖い。怖すぎる。

ホラーもスプラッターも苦手なんです。
怖くて怖くて、読むのが止められない。こんなに怖いところで中断なんてできないもの。
でも早く終わりにしたくて、1時間の昼休みで100ページ読んだ。
早く!早く!早く!

誰か、なんとか先生の裏をかいて!
そしてこの物語を早くおしまいにして!

心臓が痛いほどドキドキして、いま恐怖のあまり死んでしまったとしたら、多分第三者的には私の死因はパンをのどに詰まらせて窒息。的なことになるんだろうなあと思いながらページをめくる。めくる。

最後の100ページは帰宅ラッシュで賑わう駅の構内で読んだ。
続きを早く読み終えたかったからというのと、静かなところで読みたくなかったからという理由で。
もう、本当に怖かった。
本屋大賞にホラーとスプラッターをノミネートするの、やめてよぅ。(T_T)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年2月22日
読了日 : 2017年2月22日
本棚登録日 : 2017年2月22日

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