風化水脈 新宿鮫VIII (光文社文庫)

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レビュー : 61
著者 :
マッピーさん  未設定  読み終わった 

この間読んだ「氷舞」が第6弾だったのに、8弾ですと?
あちゃー。またやっちまったな。
と思ったものの一応調べてみましたら、執筆順では第7弾。時系列順では第8弾ということだそうで、あながち間違いというわけでもない。
だから鮫島と晶の仲はちっとも進展してなくて、それはそれでモヤモヤなんだけど・・・。

1巻の最後で、瀕死の重症を負いながらも鮫島を名指しで自首した真壁が、出所。
体はすっかり弱り、街も、組の体質もすっかり変わってしまったことに戸惑いを隠せない。

鮫島は高級車ばかりを狙う窃盗団を追う。
そこで知り合った駐車場の老管理人、大江に自分と同じ臭いを感じる鮫島。

鮫島が追う事件が徐々に真壁に近づくと共に、大江の過去も少しずつ現れてきて・・・。
どきどきしました。

組で真壁の面倒を見ている矢崎は、かつて真壁がそのボスと声を失わせた中国人組織の頭領・王と組んでいる。
真壁が死んだものと思っている王が真壁が生きていることを知ったら、絶対に復讐するに決まっている。
だけど、登場したときから一本筋の通った男だった真壁は、今、愛する女性と自分の信念との間で、今後の人生を考え始めていて、要は、いい男なのよ。
絶対王に見つかるな、と念じていたけど、見つからないわけがなくて。

そして今回の影の主役は、新宿そのもの。
江戸時代の内藤新宿から始まって、戦後の混乱気、高度成長期、バブル。
ここにきて初めて鮫島も新宿という街の歴史を勉強する。
大江との出会いがそのきっかけ。

大江が隠す彼の過去が、意外な人物に繋がっていることがわかり、こちらもどきどき。
生きていくことが今よりももっと難しかった時代、生きるためにした選択がずっと重荷になっているって辛い。

今回もロベルト・村上がちょっと出演。
「新宿書の鮫島刑事に相談しなさい」
彼は国際的な犯罪者のはずだけど、鮫島の一番の理解者だよね。

今回は読後感もとてもよい。
原点回帰のような作品。

レビュー投稿日
2016年10月2日
読了日
2016年9月30日
本棚登録日
2016年10月2日
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