Get Backers-奪還屋- (39) (マガジンKC)

  • 講談社 (2007年4月1日発売)
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感想 : 12
4

一見ただの少年漫画、なのだけれども、
テレビドラマ・HEROや金田一少年の事件簿などでお馴染みの青樹佑夜氏が原作の少年漫画。

ね、ただ者じゃない気がしてきたでしょう?



初期の物語はそこまでインパクトがある訳ではないです。
鋼の錬金術師のような淡々とした面白さが続いたところで、6巻から物語は一変します。


「無限城」という架空の高層ビルでの奪還を通じて、物語は複雑に織り込まれていきます。GetBackersというタイトル通り奪還屋という仕事を軸に物語は回りますが、この無限城というスポットの謎を終始解き明かすことがストーリーのメインだと勝手に解釈しております、わたくしは。
自己アイデンティティや強さに迫ってゆく主人公たちの戦いは、白熱し、私の胸を熱くさせます。19歳女子をここまで興奮させるバトルも珍しいものです。
また、裏切りや協力を繰り返すキャラクターの多様さもこの物語の魅力のひとつで、コミカルかつ丁寧に描かれております。どんな悪役も魅力的で、にくめないから恐ろしい・・!


私にとっての強さとは何か?
これを読み終えた後しばらく考えてしまったけれど、ヒントがこの中にあるような気がしました。本当の強さには邪眼も電撃も魔法も必要無くて、もっと簡単なことのようです。
でもこればっかりは普遍的なものではないので、あなた自身が見つけ出してほしいです。私もそんなぐだぐだ語りたくないので、胸にしまっておくことにします。


多くの漫画を読んできましたが、これ程面白いファンタジー漫画は無いと思います。
少年を過ぎた頃に読んでほしいです。ちょっとだけ世界を知ってしまったあなたの方がきっと物語に入りこめるはず。
中毒性強いので注意です!





*****
蛮と銀次は3代目奪還屋ゲットバッカーズを営む二人組。仲介屋ヘヴンを通じて舞いこんでくる過酷な仕事によって生計を立てるも、貧しい生活を送っていた。
数々の奪還を通じて多くの仲間と出会い、裏切られてゆく彼らは、次第に自分自身の存在について考えるようになる。自分とは何か。強さとは何か。仲間とは何か。
これまでの道程を顧みながら、多くのことを学び、成長し続ける二人に、漫画とは分かりつつもつい熱くなってしまう。
私も蛮と銀次のように、前を向いて今日を駆けてゆきたい。
読了後に清々しい気持ちで、年甲斐もなくそんなことを思った。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 強くなりたい君へ。
感想投稿日 : 2010年4月2日
本棚登録日 : 2010年3月29日

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