原色 小倉百人一首 (シグマベスト)

  • 文英堂 (2014年12月3日発売)
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本棚登録 : 121
感想 : 9
5

オールカラーで写真も豊富な百人一首の本。歌の内容に合った写真で凄くかっこいい。
オールカラーで550円(税別)って利益は出せるのだろうか、と心配してしまうほどの安さだ。

少し文字は小さいが、全ての歌に対して歌のテーマが示されていて、イメージがわきやすく解説も分かりやすい。

紀貫之(きのつらゆき)の歌もあった。歌番号は35番。

“人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香(か)ににほひける”

移ろいやすい人の心と、決して変わらない自然の姿(ここでは、ふるさとの梅の花の香り)が対照的に詠まれていて印象に残った。

それと、歌番号40番の平兼盛(たいらのかねもり)の「しのぶれど~」と41番の壬生忠見(みぶのただみ)の「恋すてふ~」の2つは、歌合(うたあわせ)という場で実際に対決したらしい。お題は「忍ぶ恋」。

どちらも名歌だから判定する人が困っていたところ、帝が「しのぶれど~」の歌を口ずさんでこの歌が勝ったという逸話があるそう(作り話で事実ではないらしい。対決したのは本当)

そんなエピソードも書かれてあって面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月13日
読了日 : 2022年11月13日
本棚登録日 : 2022年10月28日

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コメント 2件

傍らに珈琲を。さんのコメント
2022/11/13

張飛さん、こんばんは!
しのぶれど色に出でにけりわが恋は……ですね♪
この歌、大好きです。
現代短歌は刺激的ですが、古典は上品な揺らぎがあって素敵です。
小説も同じで、たまに純文学を読みたくなります。

張飛さんのコメント
2022/11/14

傍らに珈琲を。、お疲れ!

しのぶれど~、の歌は「ものや思ふ」が第三者の言葉で会話体になっているから臨場感があって、百人一首の中でも特別な存在感を放ってるな!

上品な揺らぎ、なるほど!確かに百人一首は、掛詞や序詞とかいろんな技法を駆使したり、響きもよくて芸術作品みたいな歌が多いから小説における純文学みたいな存在かもしれねえ。

これからも時折、百人一首を読んでいきたい!

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