熊本くんの本棚 ゲイ彼と私とカレーライス (富士見L文庫)

  • KADOKAWA (2021年6月15日発売)
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感想 : 9
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ジブリような読後感を感じてください。
おそらくサブタイトルと説明に多くの方が期待にお会計ピッとしたと思います。自分もそうでした。はっきり言います、覚悟が足りません!もっと引き締めて読んでください。思ったよりも重いです。でもだからこそ読んでみてほしい。少しスピリチュアルで哲学的で理屈っぽいけどいいんです。これも文学です。気になるところはたくさんあります。けど大丈夫です、バットエンドではないです、そこは安心して読んでいいと思います。たぶん多くの方がこのために最後まで読んでいたんだと感じるはずです。
是非この本のタイトルの意味を考えてみてください。おすすめします。

前置きが長くなりましたが、内容について感想言います。
家族ってなんだろう、友達ってなんだろう、恋人ってなんだろう。自分はどこまでその人を知ることができるのか、知っていいこと悪いことに主人公があるいは読者が考える時、自分は相手よりも綺麗だと言えるでしょうか?本棚でその人の性格が分かれば楽ですよね。人間ってそんな簡単にわかるでしょうか?
たぶん多くの人はわかっていないと思います。自分の知ってるあの人が何を抱えて生きているのか、何を背負って生きているのか、もしかしたら戦っているかもしれない。学生の頃、周りの人が突然転校したり退学届を出したりして「なんで?」って言うのはしかたない人間の性です。熊本くんを読み終わった今でも知りたいと思うのはきっとどこかにその人の存在を留めておきたい自分のエゴなんでしょう。個人に潜む人間関係を是非とも考えながら読んでみてほしいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月28日
読了日 : 2024年1月28日
本棚登録日 : 2023年11月8日

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