前々から気になってた本。
デザインの世界ではわりと有名、なんですかね。
確かに名著でした。読んで良かった。
最新の家電の使い方がよく分からなかったり、
街中で出会う水道やウォシュレットの使い方に戸惑ったり、
ドアや鍵の開け方が分からなくて困ったり。
そういう経験、誰でもあると思います。
間違う人が悪いのではなく、デザインが良くないから起こるのである。
本書の中心テーマはこれです。
人はモノをどのようにして捉えるのか、
どんな間違いが起こりうるのか、
それを踏まえてどのようにデザインをするべきなのか。
などなどが認知心理学の研究結果を元に解説されます。
ユーザインターフェースをどのように作成すべきなのか。
どのようなことに気を付けるべきなのか。
デザインに関わる人は絶対に読むべき。
そしてデザインに直接関わらない人でも読む価値あり。
うまいインターフェースをデザインする視点というのは、
人にうまくものを伝えるということに通じます。
人に何かを伝えたり、伝えられたりというのは、
通常社会生活をする上で誰もが関わることだし、
特に多くの仕事の場面で登場する要素でしょう。
よくデザインする、ということは使う人を思い遣ること。
多くの人がよいデザインをする視点で仕事をこなしていくと、
生活しやすくなる場面は増えていくのでは、
つまりは良いデザインとは情けは人のためならず的な視点に通じるのでは、と。
本書を読み終わり、タイトル「誰のためのデザイン?」について、
そんなことを考えます。
<メモ>
・人はどのように作業するか-行為の七段階理論
1、ゴールの形成(ゴール)
2、意図の形成(実行)
3、行為の詳細化(実行)
4、行為の実行(実行)
5、外界の状況の知覚(評価)
6、外界の状況の解釈(評価)
7、結果の評価(評価)
→各段階において利用者に戸惑いを発生させてしまう可能性がある。
デザインをする段階で、各段階がうまく機能するか確認を行うための質問
1、装置の機能を見きわめられるか?
2、どんな操作をすることができるかを知ることができるか?
3、意図を実際の行為に対応づける関係を見つけられるか?
4、その行為をすることができるか?
5、対象システムがどんな状態であるか分かるか?
6、システムの状態と解釈の間の対応づけが分かるか?
7、問題になっているシステムが期待通りの状態にあるかどうかを言えるか?
⇒この質問を良いデザインの原則としてまとめると、、
・利用者のための良いデザイン
1、可視性
→目で見ることによって、ユーザは装置の状態とそこでどんな行為を取りうるかを知ることができる
→また、必要とされる知識は外界においておくこと。必要なものをすべて頭の中に入れておくことを要求してはならない。しかし、ユーザが操作を学習して知識を頭の中に取り込んだときには、より効率的に操作ができる余地を残しておくこと。
2、よい概念モデル
→デザイナーは、ユーザにとってのよい概念モデルを提供すること。そのモデルは、操作とその結果の表現に整合性があり、一貫的かつ整合的なシステムイメージを生むものでなくてはならない。
3、よい対応づけ
→行為と結果、操作とその効果、システムの状態と目に見えるものの間の対応関係を確定することができること。
4、フィードバック
→ユーザは、行為の結果に関する完全なフィードバックを常に受け取ることができる。
・エラーにはスリップとミステークがある(P170)
エラー…適切なゴールを形成できたのに実行するときにめちゃくちゃになってしまった
ミステーク…間違ったゴールを立ててしまった
・よくないデザインをする原則(P292)
対象となるものを目に見えなくする
恣意的にする
一貫性をなくす
操作を分かりにくいものにする
無作法にする
操作を危険なものとする
- 感想投稿日 : 2014年4月3日
- 読了日 : 2014年4月3日
- 本棚登録日 : 2014年4月3日
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