残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

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制作 : 橘玲  橘玲  竹中てる実 
2319chanさん  未設定  読み終わった 

 監訳者の橘玲って、たちばなあきらって読むのを初めて知った。
 なかなか面白かった。


 ユニークな資質とは、日ごろはネガティブな性質、欠点だと捉えられていながら、ある特殊な状況下で強みになるものだ。そうした資質は、たとえばチャーチルの偏執的な国防意識のように、本来は毒でありながら、ある状況下では本人の仕事ぶりを飛躍的に高めてくれるカンフル剤になる。
 ムクンダはそれを「増強装置」と名づけた。この概念こそが、あなたの最大の弱点を最大の強みに変えてくれる秘訣なのだ。

 カリフォルニア大心理学教授のディーン・キース・サイモントンによれば、「創造性に富んだ天才が性格検査を受けると、精神病質の数値が中間域を示す。つまり、創造性天才たちは通常の人よりサイコパス的な傾向を示すが、その度合いは精神障害者よりは軽度である。彼らは適度な変人度を持つようだ」という。

 多くの者にとって、若くして親を失うことは大きな痛手で、マイナスの影響は計り知れない。だが、ダニエル・コイルが著書、『才能を伸ばすシンプルな本』で指摘したように、親を失った悲劇は子どもたちに、この世界は安全な場所ではなく、生き残るには多大なエネルギーと努力が必要だという思いを植えつける。そうした特有の状況と性格から、これらの遺児は悲劇を過剰補償(心理用語で、自分のコンプレックスを克服するだけでなく、人から認められたいという欲求を強く持つことを指す)し、成功への糧に転じる。

 アクセルロッドは、私たちは「しっぺ返し戦略」の成功から学べる四つの教訓を挙げている。…
1 相手を妬まない
2 自分から先に裏切らない
3 協調であれ裏切りであれ、そっくり相手に返す
4 策を弄さない

 海軍の調査で、グリットを持った人びとが逆境に耐える際に行っている(ときに無意識に)いくつかのことが明らかになった。そのなかに、心理学的調査で浮かびあがった一つの習性があった。

 楽観主義者の説明は全く逆である。
①悪いことは一時的なものだ
②悪いことは特異的な原因があり、普遍的なものではない
③悪いことは自分の落ち度ではない
セリグマンの調査によると、説明スタイルを悲観的なものから楽観的なものに変えるだけで、気分が楽になり、グリットが増すという。

 荒唐無稽で抽象的に響くかもしれないが、その効力は計り知れない。ストーリーは、意識にのぼらない心の奥の底流として、人生の驚くほど多くの重要な局面で成功を後押ししている。
 たとえば、夫婦が将来もうまくいくかどうかを正確に予言するものがある。それはセックスでも、お金でも、共通の目的でもない。心理学者のジョン・ゴットマンが、夫婦同席の状態で二人の歴史や結婚生活についてインタビューし、語られた内容を分析したところ、夫婦が後年りこんするかどうかを94%の精度で予測することができたという。

 面白いゲームに含まれる共通要素は、勝てること、斬新であること、目標、フィードバックの4つだからだ。

 「一万時間の法則」の生みの親であるK・アンダース・エリクソンは、何らかの分野の第一人者になるには、方法は一つしかないと言う。それは、良き指導者につくことだ。
 
 「楽しみ」は、ふつう、「専心努力」や「専門的知識(技能)」、「第一人者になる」と同じ範疇には入れられない。「楽しみ」は、感情に基くものだ。ところが、この感情的な構成要素が決定的に重要なのだ。

 人質交渉人は、想像しうる最も緊迫した事態に対処するが、危機の最初から最後まで、彼らの態度は一貫して受容、思いやり、忍耐に徹している。

 人間関係の研究で知られる心理学者、ジョン・ゴットマンは、夫婦間の問題の69%は永続することを発見した。つまり、そうした問題は解決されないのだ。交渉型アプローチがうまくいかない理由もそこにある。したがって相手の話に耳を傾け、共感し、理解する必要がある。そうすれば、たとえこれらが問題解決に結びつかなくても、結婚生活はうまくいく。私たちがたがいの気持ちに寄り添わず、具体的な交渉に重点を置くときにこそ、破たんするのだ。

 論争をなくし良い結果だけを得る四つのルール
1 落ち着いて、ゆったりしたペースで話す
2 傾聴する
3 相手の気持ちにラベルを貼る
4 相手に考えさせる

 …ティム・クレイダーという男が休暇中に喉を刺された。傷は、頸動脈をわずか二ミリそれた場所で、彼の言葉を借りるなら、「もう少しで飛行機の客席ではなく、貨物倉に載せられて帰ってくるところだった。」彼は命拾いしたのだ。

 『どこが間違っているのか教えて』と題する研究では、人が専門家を目指す途上で転機が訪れることを示している。初心者は、まだ得意でないことに励み続けるために、肯定的にフィードバックを必要とする。しかしやがて転機が訪れる。次第に熟達するにつれ、いっそう腕をあげるために、彼らは否定的なフィードバックを求めるようになる。初心者のころと違い、今や正すべき点はわずかだからだ。

 自尊心を煽るのではなく、自然体で自己や自分の能力に満足していられたらどんなことが起こるだろう?ズバリ、人から好かれる。過剰な自信が共感性を失わせるのと対照的に、自分への思いやりを育むと、他者への思いやりも増すことが神経科学の研究によって証明されている。

 自信のジレンマを解決する
1 自分を信じることは素晴らしいが、自分を許せることはもっと素晴らしい
2 自尊心を自然なレベルに調整しよう
3 それでも自信を高めたい?ならば獲得しよう
4 インチキはしない

 自己の情熱のために家族をないがしろにする現象は、決して目新しいものではない。古代ローマにはすでに、「子どもか、本か」という言葉があったという。もしあなたが真摯に何かを生みだそうとすれば、家族を犠牲にすることになる。
 エネルギーの問題も重要だ。創造的な労働者が、配偶者と過ごす時間は量的に少ないだけでなく、経営学の学術誌『アカデミー・オブ・マネージメント・ジャーナル』によると、その質も劣るという。家に帰るころ、彼らの脳はへとへとに疲れている。気遣いのあるパートナーになりたくても、ガス欠なのだ。また、完璧主義の傾向が強い人びとは、配偶者と満足な関係を持てる可能性が33%低いとの研究結果もある。

 心理学者のロバート・エプスティンが、30か国の3000人を対象に調査したところ、ストレスを減少させる最も効果的な方法は、計画を立てることだとわかった。前もってどんな障害があるのか予想し、克服法を考えておくと、状況をコントロールできていると感じる。これこそが、ものごとを成し遂げるための秘訣だ。

レビュー投稿日
2018年12月2日
読了日
2018年12月2日
本棚登録日
2018年12月2日
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