佐野洋子対談集 人生のきほん

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レビュー : 76
24thstさん  未設定  読み終わった 

一般論ではなくお三方の"人生のきほん"が語られている。
まず、自分が西原さんを苦手だというのを再認識。辛口だとか言いたい放題という面ではなく(それはむしろ好ましいくらい)、暗く黒い自分、怒りから離れられない自分、病んでいるかもしれない自分を認めながら(そこも良いと思う)それを売りにできてしまうところが嫌なのだと気付いた。もちろん見誤っているだけかもしれない。何しろこれだけ受け入れられている方なのだから、本質はそうではないのかもしれない。ただ私は、毎日かあさんを知人に贈られても一読したのみで数年経っても再読したいという気にならないし、まぁ単に相性が悪い、または同族嫌悪的なものかも(笑)
一方佐野さん。西原さんともども"怒り"が人生の基本だと意気投合し、同じように辛口ではあっても何かが決定的に違うと感じた。それは例えば向田邦子さんが溢れんばかりに持っていた昭和の日本の心根のようなものに通じる気がする。もうひとつ、本書で語っている"生"に対する揺るがぬ根本的姿勢だか思想があるから佐野さんは他の人と違うんじゃないかと思った。今の世の中では批判糾弾されるのがオチだから声を大にして言ってしまえる人の少ない死生観だけど、とてもよく理解できるし、自分のベースがその死生観の上に成り立っているんであればそれは強いはずだよなぁと思う。
リリーさんとの対談は非常に気持ちよく読めた。お墓の話が秀逸。植木等(金のないやつぁ 俺んとこへこい♪)か!と(笑)...そしてふと思った。私はこれまで割と多くの本を読んできた方だと思うけど、翌日外出できないほど目が腫れるまで涙を止められずに読んだのは『東京タワー』だけだったなと。佐野さんが、リリーさんはお母さんに完全に愛され切った実感があるでしょうというようなことを問い、それを肯定していたリリーさん。佐野さんも私も(一緒にするのはおこがましいが)そういう人に憧れるのだなと思った。お二人の後半部分の対談が行われなかったのは残念な限り。

レビュー投稿日
2015年6月26日
読了日
2015年6月26日
本棚登録日
2015年6月26日
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