厚みのあるハーモニーと歌が全編にみなぎり、対旋律の隅々までカンタービレが効いている。こんなに豊かな表情を持った音楽評論も珍しいといえよう。
アダージョも同様で、悠揚として迫らぬ進行の中に、深い心の声と、スケールの大きな恰幅の良さと、勁烈な透明感と、素晴らしい感情移入が行われていく。
スケルツォはスケールが巨大で音がうねるようだ。かなり荒れ狂った表現だが、それを響きの豊かさで包み込み、えぐりの効いた緊張感が生まれているといえよう。
絶版になっている宇野功芳の音楽評論本が再販されれば、推薦に値するといえよう。
(半分ネタでパロッてます)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
音楽
- 感想投稿日 : 2022年3月1日
- 読了日 : 2022年3月1日
- 本棚登録日 : 2022年3月1日
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