ある中学でクラスを受け持つ女教師の一人娘が、受け持ちクラスの男子生徒たちに殺され、その生徒たちへ復讐する物語。
これも原作が良作であり、映画のキャスティングが個人的に絶妙だったこともあったので、ずっと映画を観たかった。
主演の松たか子はベストマッチな役どころであり、とても引き込まれた。理路整然と語る一方で、時折見せる感情剥き出しの姿には胸を締め付けられた。
テーマは少年法と命の重さ・尊さ。
深いテーマだが、人それぞれに語られる独白には、血肉の通った考えがあり、美しいものから醜いものまでしっかりと目を逸らすことなく描かれている。
命の重さ尊さは、大切な人を思って初めてはかれるものではないだろうか。
失って初めて気づく命の尊さ重さ。
これはきっと自分が死する直前まで、誰かの死を受け止める度に改めて気付き感じ続けるのであろう。
そして少年法。
少年法に守られた子どもは、何人殺しても罰せられない制度は、はたして世の中にとって良い事なのだろうか。
14歳未満の少年少女は、本当に刑事責任能力がないのだろうか。
兎角私は被害者が報われる法律であるべきことに1票。
被疑者の母役だった木村佳乃も適役。
我が子に注ぐ真っ直ぐな愛情ゆえ、他人の痛みに鈍感で無様な様を見事に演じきっていた。
そして本作品はR15指定。
ショッキングな描写はあるが、いじめ問題や少年法への意識を持たせる上では、私個人の意見として中学生以上の子供たちに見させるべきではないかとも感じた。(模倣犯抑止の観点は置いておいて…)
原作同様に映画も見応えとエグ味のある作品だった。
- 感想投稿日 : 2021年8月22日
- 読了日 : 2021年8月22日
- 本棚登録日 : 2021年8月22日
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