シフト (上) (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店 (2014年7月25日発売)
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感想 : 21
4

アメリカの作家「ヒュー・ハウイー」の長篇SF作品『シフト(原題:Shift)』を読みました。

久しぶりにSFを読んでみたいなぁ… と思い本書を選択、、、

2年前に読んだ『ウール』の続篇となる作品です。

-----story-------------
〈上〉
空前の大ヒット
地下144階のサイロを見守る仕事、「シフト」。

いったん読みはじめたら、強烈なストーリーテリングが読者をつかんで離さない。 
「大森望」(文芸評論家・『ウール』解説より)


2049年、滅亡前の世界。
新人議員の「ドナルド」は、上院議員「サーマン」から極秘プロジェクトへの参加を依頼された。
「ドナルド」が「サーマン」の娘「アナ」と設計した地下施設が完成、全国党大会が行われる中、上空で核爆弾が爆発した。
一方、滅亡後の世界では、冷凍睡眠から目覚めた「トロイ」が、サイロの責任者として「第一シフト」に入っていた。
ミッションは秩序維持。
必要なすべては、『秩序の書』に書かれ、伝承されていた。
巨編『ウール』続編。

〈下〉
ネット発巨編、第2部!
瀕死のサイロ、その命運を握るのは「シフト」につく男。

先の展開は絶対に読めない。
テンポが早く、しかも面白い。
おお、早く第3部を読みたい。 
「北上次郎」(文芸評論家・本書解説より)

2212年、ポーター仲間の「キャム」がIT部の荷を運んで爆死した。
ミッションは失われた世界の記憶をもつ、からすを頼るが、サイロ18の彼らに魔の手が迫っていた。
一方、サイロ1で自分を取り戻し「第三シフト」に入った「ドナルド」は、サイロの外に出た“清掃人”の処遇を任される。
瀕死の50のサイロの命運を握る「ドナルド」。
暴動を生き延び、サイロ17に取り残された少年「ジミー」。
圧倒的な筆力で滅亡後の地下世界を描く三部作、第二部。
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サイロシリーズ三部作の第二部にあたる作品で、第一部『ウール』の前日譚が描かれています… 前作ほどの感動はなかったものの、謎の一部が解き明かされるので、最後まで興味を持って愉しく読めました、、、

サイロが設計・建設され世界終末を迎える前の2049年~2052年、その後の2110年、2212年、2345年と、様々な時代が描かれているし、前作につながるサイロ17号やサイロ18号だけでなく、全体を統括しているサイロ1号等、舞台も様々で、前作同様に、場面の切り替えが多いのですが、それが独特のリズム感とスピード感を生んでいるし、読み進むにつれて新しい事実が徐々に判明して行くので、どんどん先を読みたくなる展開でしたね。

 ■第1のシフト――遺産
 ■第2のシフト――秩序
 ■第3のシフト――協定
 ■解説 北上次郎

2049年、下院議員「ドナルド」は地下壕サイロを設計した… 完成を祝う党大会の最中、上空で核爆弾が炸裂、人々は地下壕へ逃げ込んだ、、、

2110年、誰もが「以前」の記憶を消された世界で一人の男「トロイ」がサイロの責任者として冷凍睡眠から覚醒し「第一シフト」に入っていく。

2212年、ポーターの「キャム」がIT部の荷を運んで爆死したことを契機にサイロ18に魔の手が迫る… 一方、サイロ1で長い眠りから覚醒した「ドナルド」は、サイロ1の責任者となり、より多くの人を救うため、崩壊し始めたサイロを消滅させるミッションの取り組むが、苦しんだ「ドナルド」はサイロから足を踏み出す決心をする、、、

2312年、暴動で両親を喪ったが、生き延びた少年「ジミー(ソロ)」は、サイロ17で生き残るための懸命な努力を続ける… そして、暴動から34年目の2345年に「ジミー(ソロ)」は、「ジュリエット・ニコルズ」と出会う(『ウール』に繋がります…) ―― その頃、「ドナルド」は瀕死の50のサイロの命運を握る立場となり、人類を絶滅寸前に追い込み、自らの運命を翻弄した人物に復讐を果たします。

前作での謎の一部が解明し、物語が前作と合流して愉しく読めましたが… 前作を読んで2年も経ってしまっていて、細かいところを失念してしまっていたり、物語の世界観に浸るのに、ちょっと時間がかかったことは残念でしたね、、、

三部作のそれぞれが上下巻に分かれていますが… そんなにページ数がないので、上下巻を一冊にまとめて、三部作を一連の作品として上巻・中巻・下巻という構成にしてくれた方がイイと思うなぁ。

その方が作品の醍醐味が味わえると思いますね… やっぱ、次作の『ダスト』を読まないと不完全燃焼な感じですね、、、

「ドナルド」は生き残っているサイロを、人類を救うことができるのか?

「ジュリエット」と恋人「ルーカス・カイル」の運命はどうなる?

サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちはどうなる?

興味は尽きません… 古書店で探してみなきゃ!





以下、主な登場人物です。


「ドナルド・キーン」
 ジョージア州選出の下院議員

「ヘレン・キーン」
 ドナルドの妻

「シャーロット・キーン」
 ドナルドの妹。空軍の無人機パイロット

「ポール・サーマン」
 ジョージア州選出の上院議員

「アナ・サーマン」
 ポール・サーマンの娘

「ミック・ウェッブ」
 下院議員。ドナルドの学生時代からの親友

「トロイ」
 サイロ責任者

「メリマン」
 サイロ責任者。トロイの前任

「ヴィクター」
 心理学研究室長

「アースキン」
 ナノマシンの開発者

「ミッション・ジョーンズ」
 ポーター

「ライリー」
 ミッションの異母弟

「キャム」
 ミッションの後輩ポーター

「クロウ先生(愛称からす)」
 学校「クロウズ・ネスト」を主宰する老女

「ウィック」
 IT部長

「マクレーン」
 資材部のリーダー

「スニード」
 医師

「ジミー・パーカー」
 暴動の生き残り

「ラス・パーカー」
 ジミーの父

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>SF/ファンタジー(海外)
感想投稿日 : 2022年11月2日
読了日 : 2017年6月19日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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