「フレデリック・フォーサイス」の『売国奴の持参金(THE DECEIVER "The Price of the Bride")』を読みました。
「フレデリック・フォーサイス」の作品を読むのは『囮たちの掟―Forsyth Collection〈2〉』以来なので約2年振りですね。
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引退を勧告された「マクレディ」の聴聞会が再開された。
ソ連軍将校団がイギリス軍の演習に招待された時のことだ。
演習は、それぞれの思惑を秘めながらも穏やかに進んでいた。
ところが一人のソ連将校が逃亡し、アメリカへの亡命を申し入れた。
彼の正体はKGB大佐。
アメリカは亡命を受け入れた。
亡命者は多くの情報をもたらした。
CIAはその情報の裏付けをとり、彼を信用し始めていた。
だが、「マクレディ」は何か腑に落ちなかった。
亡命者の真意は何なのか、スパイ対スパイの息詰まる駆け引きが始まる―。
“最後のスパイ小説”、「マクレディ」シリーズ四部作第二弾。
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「マクレディ」モノは3年振りですが、前に読んだ『騙し屋』(「マクレディ」シリーズ四部作第一弾)が面白かったので、期待して読みました。
序盤~中盤は、少し冗長な感じがしたのですが、、、
終盤になって、アメリカに亡命したKGB大佐の正体(逆スパイ?)が徐々に暴かれ、その企みを阻止しようとする「マクレディ」が活躍し、真相が判明するまでの展開は愉しめましたね。
CIAに内部抗争を起こし、局員の士気を低下させ、SISとの協力関係を潰すことを目的とした企みは、なかなか巧妙だったし、スパイとスパイ(KGBとCIAとSIS)の駆け引きも面白かったです。
しかし、真相がアメリカ(CIA)に知らされた(CIAがSISの主張を正しいと認識した)タイミングが遅かった、、、
もう少し早く裏切者の汚名を晴らすことができていれば犠牲にならなくて済んだのに… 諜報組織に勤める人間にとっては避けられない運命なのかもしれませんが、哀しいエンディングでしたね。
- 感想投稿日 : 2022年7月12日
- 読了日 : 2014年9月1日
- 本棚登録日 : 2022年3月11日
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