本書は田中耕太郎の評伝であるが、田中耕太郎という名前を聞くと、商法学者としてよりも「反動」と批判された最高裁長官時代をどうしても連想してしまっていたが、今回本書を読んで、田中の東大教授、占領下での文部大臣、参議院議員の歴任、そして最高裁判所長官や国際司法裁判所裁判官といった経歴を歩んだこと、すなわち憲法上の三権、立法、行政、司法のすべてに属した戦後まれな経歴の人物であることをまずもって知った。
本書において著者は、田中が「制度の独立」ということに重きを置き、それを守るためには闘うことを厭わなかったと言い、田中の生涯とその具体的活動を追っていく。
このような新書という読みやすい形でなければおそらくは決して知ることのなかったであろうことを様々な知ることができた、大変ありがたい。
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- 感想投稿日 : 2024年12月22日
- 読了日 : 2024年11月14日
- 本棚登録日 : 2024年11月14日
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