小説とは何だろうか。それを考えるために、著者は小説の主要な要素7つについて、具体の作品を例にしながら論じていく。その要素とは、ストーリー、登場人物、プロット、幻想、予言、パターンとリズム、以上の7つ。
〇 ストーリー
ストーリーとは、「時間の進行に従って事件や出来事を語ったもの」と定義されるが、それからどうなるんだろう、という好奇心を読者に起こさせる。
〇 登場人物
登場人物は、平面的人物と立体的人物に分けることができる。平面的人物は、ディケンズ作品に登場するような「あ、またあいつが出てきた」とすぐに分かるような類型的人物。これに対し、説得力をもって読者を驚かせることができるのが立体的人物。
〇 プロット
事件や出来事の因果関係に重点を置いたものがプロットで、「王様が死に、そして悲しみのために王妃が死んだ」がその例。
というように、それぞれの要素について、実際の作品をベースにして具体的に説明がされており、また元々が大学の記念講座における講義であるので、とても読みやすい。著者の言わんとすることも良く理解できると思う。
小説を読む楽しみ方を教えてくれる一冊。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年8月20日
- 読了日 : 2024年8月18日
- 本棚登録日 : 2024年8月18日
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