◎記憶に残った詩の一部分
「兄弟」
彼らはあとかたもなく忘れてしまうだろう
羽越線のさびしい駅を通過するとき
交した幼い会話のきれはし 不思議だ
これから会うこともないだろう他人の私が
彼らのきらめく言葉を掬い
長く記憶し続けてゆくだろうということは
◎波立つものを感じたエッセイ
「いちど視たもの」
1に収録されている「埴輪」。あの作品を書くことになったのは、敗戦後、記紀の垂仁記にある埴輪作製の縁起を読んで、あの戦争では天皇家という古墳を守るための人垣にされたのだとの思いが書かせたのだと言う。戦争で青春を奪われた著者の拘りが端的に表されている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年2月7日
- 読了日 : 2022年2月6日
- 本棚登録日 : 2022年2月6日
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