非常に残酷で絶望的な物語である。残酷なあの日への著者の怒りなのか。主人公の女性が二人の男性の狭間で迷い、悩み、心を病んだ揚げ句に微睡みの海に未来の希望を見たのだが…
『リアスの子』に続き、気仙沼市をモデルとした仙河海市を舞台とした小説である。主人公の昆野笑子は、心の病から中学校の教師を辞め、三陸アース美術館で働いていた。副館長の菅原との不倫から、逞しく成長した元教え子の祐樹とも関係を持つ…
物語があの日の前日で終わっているのが、哀しいくらい残酷に思った。
蛇足になるが、昆野笑子が働く三陸アース美術館はリアス・アーク美術館がモデルだろう。また、市立病院の近くのスーパーや書店はあの店だろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2016年9月25日
- 読了日 : 2016年9月25日
- 本棚登録日 : 2016年9月25日
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