門田隆将『記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞』角川文庫。
門田隆将の描くノンフィクションは人物描写の上手さ故、登場人物の息遣いを感じると共に様々な風景やシーンを容易に思い描くことが出来る。あの未曾有の大災害、東日本大震災と真っ向から向き合った地方新聞の記者たちの闘う姿を描いた本作も、まるで映画を観るかのような臨場感のあるノンフィクションであった。
『紙齢をつなぐ』ため、何としてでも多くの人びとに情報を伝えるという新聞社の使命のもと、命懸けで大震災の渦中に飛び込んだ記者たちの姿…救えなかった命、守れなかった命…
余りにも壮絶な闘いと結末に、目頭が熱くなった。
福島第一原発事故の被害が大き過ぎたためか、福島の沿岸部の津波被害は余り知られていないように思う。巻頭に収録されている記者たちが命懸けで撮影した被災地の写真は初めて見るものであった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2017年2月28日
- 読了日 : 2017年2月28日
- 本棚登録日 : 2017年2月27日
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