ベン・クリード『血の葬送曲』角川文庫。
クリス・リッカビーとバーニー・トンプソンの2人が合作名で描いたデビュー作。
ソ連の歪んだ恐怖政治を背景に進行する骨太の歴史ミステリーであった。社会主義国家を維持するために国民の反対分子に常に目を光らすMGB(国家保安省)と、いつ彼らに連行されるかと怯える国民。社会主義国家には連続殺人犯は居ないという前提で物語が展開するトム・ロブ・スミスの『チャイルド44 』を彷彿とさせる。
舞台は1951年のスターリン体制下のソヴィエト、レニングラード。凍てついた線路に並べられた5つの死体は全て歯を抜かれ、顔を剥がされるなど激しく損壊されていた。捜査にあたる人民警察のロッセル警部補は同士と共に奇怪な事件を捜査する。やがて、ロッセルは事件の犯人を突き止められるのは元ヴァイオリストの自分しか居ないということに気付く。
次第に明らかになる事件の全貌と犯人の異常な目的。
本体価格1,000円
★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外
- 感想投稿日 : 2021年4月28日
- 読了日 : 2021年4月28日
- 本棚登録日 : 2021年4月26日
みんなの感想をみる