大石圭『死体でも愛してる』角川ホラー文庫。
警視庁の敏腕刑事・長谷川英太郎の視点で、4つの異常な事件を描く連作短編集。珍しくエロさも程々で、なかなか面白い。
4つの異常な事件が被疑者たちの生の声で描かれる。事件の聴取を通じて被疑者たちの生の声を聞くうちに英太郎は次第に心に芽生えた異常な気持ちに支配され、破滅への闇へと墜ちていく。
最近、新型コロナウイルス感染で世間ではストレスが溜まっているのか、性犯罪や暴力事件などが増えているように感じる。ふとした切っ掛けで犯罪に走ってしまうのは、善と悪、正常と異常の微妙なバランスの中に生きる人間の心の脆さを表しているのだろうか……
『春の章』。日に日に美しい女性に変貌する娘に欲情を感じた画家の父親が、愛するが故に絞殺し、4日間も傍らに置き続けた事件の真相とは。
『夏の章』。アイドル志望のコンビニ店員の女性に横恋慕し、異常な愛情を注いだ孤独な作業員が起こした事件の真相とは。
『秋の章』。自殺した夫を余りにも愛するが故に調理して食べ尽くした妻の事件の真相とは。
『冬の章』。愛する妻が若いコンビニ店員と浮気したことから建設作業員の夫が起こした事件の真相とは。4つの事件の被疑者の生の声を聞いた英太郎はついに……
本体価格640円
★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2020年8月28日
- 読了日 : 2020年8月28日
- 本棚登録日 : 2020年8月27日
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