マンガを読む。

著者 :
  • 青土社 (2008年3月25日発売)
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本棚登録 : 32
感想 : 6
5

マンガを読む。を、読む。

と、書いてみてふと、狙ったわけではないけど、「~を読む」を読むということは、ある人の読み解き方を俯瞰して眺める、ある種マトリョーシカ構造になっているのかもしれないな、なんて思っていた。誰かの読み方をなぞってゆく自分。だからそれが自分のそれと違うほどに違和感を感じるのかもしれない、と。

伊藤さんのそれはあたしにとってはつらくない形状で、おかげでサクサクと読め、次に読みたいリストをさらっと作ることができた。ふふふん。あー、満足満足。

‥と思ってふと眺めるとこの本、Amazonでは極めて低い評価なのだ。いわくいつもの毒がなくてありきたり、物足りないなどなど。そうかこの人のファンがこの人の色を求めて買ったのだな、と、理解した。

ただ、これがコアなマンガ雑誌に、よりコアな人向けに書いているのであればそうなのかもしれないけれど、目的はそれじゃないんじゃないの?とも思う。部屋のデコレーションをして欲しい、と頼まれるのと、部屋の掃除をして欲しい、と頼まれるのでは、同じ部屋に対する作業でも、やることやアウトプットはまったく違う次元になるわけで。

あたしはこの本を、21世紀のマンガ200冊を(あたしのかわりに)一気読みし、整理してくれるもんだと思って読んだので、まさに正鵠、だったですけどね。そこまでマンガリテラシーのない人からすると、平易な解説にクリアな評価はとても参考になった。縦のものを縦に、横のものを横に、淡々と並べて見せてくれる伊藤氏のスタンスはバイアスなしで、ありがたい。

なんか久しぶりにマンガまた、読みたくなったなあ。長々と連なるリストみながら思う。

あたしの明日は、どっちだ?

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: よしよし、次は?
感想投稿日 : 2013年6月13日
本棚登録日 : 2013年6月13日

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