すばらしい新世界 (講談社文庫 は 20-1)

  • 講談社 (1974年11月27日発売)
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感想 : 99
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なにがきっかけかは覚えていないが,気づいたらAmazonのウィッシュリストに入っていたので読んでみた。家族を持たず,母親や父親を持たず,機械から生まれてくる子どもたち。子どもたちは生まれながらにして社会的階層が予め,しかも,人為的で残酷な方法で決まっており,知的生産をするものから,体が不自由で満足に仕事ができないものまで,この世界に存在する。そして,彼らは「ソーマ」という薬物によって自らの不安や憂いを消し,ただただ,機械的に過ごしている。最初は「なんとおもしろい世界だなぁ」と思っていたが,読み進めるうちに登場してくるジョンの視点を通して,その世界がいかに狂ったものであるかを感じるようになる。そして,自分自身の世界が,ここに描かれたディストピアと実は表裏一体なのではないかとドキドキした。個人的には,世界統制官のムスタファ・モンドが魅力的なキャラクターだ。彼がこの物語で最も報われない悲しい人物なのではないかと思う。
この物語が1932年に記されたものだ。そうとは思えないほど,おもしろい話であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年12月13日
読了日 : 2014年12月13日
本棚登録日 : 2014年12月13日

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