魔術

著者 :
  • 青空文庫 (1998年12月8日発売)
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感想 : 10

主人公は、インドの独立運動家であるミスラ君の住宅を訪れる。ミスラ君はインド魔術の使い手であり、かねてから魔術を見せてもらう約束をしていた。
ミスラ君の魔術の数々に驚嘆した主人公は、自分にも魔術を教えてほしいと頼む。なんでも、欲を捨てなければ魔術は使えないらしく、主人公は欲を捨てることを誓い、ミスラ君に魔術を習う。それから1月後、主人公は銀座のクラブで、友人たちに魔術を披露して欲しいと頼まれ、気軽に承諾した主人公は、石炭を金貨に変える魔術を披露し、その後、欲を持ってはいけないからすぐに金貨を石炭に戻そうと提案したが友人たちは、その金貨を賭けてトランプで勝負するよう挑んできて、勝負をした。勝負の終盤で、目の前の大量の金貨を見てしまい、「手に入れたい」という欲が出てしまった主人公はミスラ君との約束を破ってしまう。その結果、彼は魔術師としての資格を失い、未熟な人間であることを周囲にあらわにしてしまった。

私は、この本を最初に読んだ時に疑問に思ったことがある。
この作品の最後は、主人公が「欲を持ってはいけない」という約束を破ったことにより、 魔術師になる資格を失ったというところで終わるのだが、その後が気になる。 また、私は、「魔術」というタイトルから多くの事を連想した。1.魔術が使えるようになるには、本当に欲を捨てなければいけないのか?あるいは、なぜ捨てる必要があるのか? 2.魔術は、存在するか。しないか。3.どのようにして使うことができるのか。4.魔術と聞いて、何を思いうかべるか。5. 魔術を使える人はどんな人か。という事だ。これらの問いのうち、2番について考える。私は、魔術は、存在すると思う。なぜなら、この世には、マジシャンという人が存在し、職業で魔術を披露しているからだ。この話から考えるとマジシャンは、欲を捨てて、魔術師になったのかという疑問がわいてくる。
考察として 
勝負の終盤で、大量のお金を目の前に欲が出てしまったとあり、このシーンは、お金がどれほど怖いものであるかという事を示している。

私は、芥川龍之介の作品をたくさん読んだことがあるが、最後の終わり方がどうしても納得がいかない。「魔術」以外にも「仙人」という作品があるが、この作品も主人公が苦労の末に仙人になったところで終了しており、その後が気になる。このように、芥川龍之介の作品は、最後が気になるように書かれている。

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感想投稿日 : 2023年7月20日
本棚登録日 : 2023年7月17日

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