箱庭療法についての対談を収録した本。後半は哲学の専門用語が多くとっつきにくいが、前半の対談は素人でも読みやすい。
箱庭を作ると言っても、一定のサイズの枠の中に砂が敷いてあり、そこに市販のおもちゃなどを置いていくだけのことなのだが、人によって全く違った作品ができ、それぞれの抱えている問題が表れてくるのが面白い。
箱庭作りは誰にでもできるが、クライアントが箱庭に興味を示さないと意味がなく、どんな心の問題も治せるというような治療法ではない。また、治療者との深い信頼があってこそクライアントも内面を箱庭に反映できるという。治療者は作品を細かく分析せず、むしろ「鑑賞」する。うまく行けば、それを続けることでクライアントが良くなっていくケースがあるようだ。
実際にクライアントが作った箱庭の写真が多数紹介されており、見応えがある。対人恐怖症や登校拒否、うつなどの問題を抱えた人が作った作品は独特な雰囲気がある。意味が分からないのにゾッとする作品もあり、写真だけでもインパクトがある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年9月26日
- 読了日 : 2020年9月26日
- 本棚登録日 : 2020年9月23日
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