市川雷蔵がファンクラブの会報に書いた文章などを編纂した一冊です。これを読むと、市川雷蔵の人となりがおぼろげながら浮かんできます。知的な側面、厳しい批判精神もあるが、映画俳優として会社やファンクラブなどへの気配りも怠らない。私生活と俳優生活とのケジメ、プロデューサーへの志向などなど。実際のところ、もう少しで実現されるはずだった演劇公演が、死去により中止となったことは残念です。もしも、長命であれば雷蔵プロデュースの映画も何本かは実現していたでしょう。
読み物として面白いのは、「雷蔵をめぐる女たち」と題された、九人の女優評の文章で、一部辛辣な表現もあり雷蔵らしさが滲み出ています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2015年7月29日
- 読了日 : 2015年7月29日
- 本棚登録日 : 2015年7月11日
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