なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書 1212)

  • 集英社 (2024年4月17日発売)
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流行りに乗り、手に取りました。日本の労働の歴史を振り返りながら、現代人が本を読めない理由を考えていく本。といいつつも、40年前から若者の読書離れは言われていたんですね。いつの世もあまり変わりません。
現代人が本を読めない理由として、スマホが普及して娯楽が増えたから読書に時間を避けないよね、みたいな凡庸な結論はなく、社会全体の風潮から理由を読み解いているのがとても新鮮で面白かったです。考え方と知識よりも、行動と情報が優先される時代になり、読書特有の幅広い文脈がノイズとみなされている、という話は首がもげるほど頷きました。ただ、そのノイズが欲しくて、私は読書してるんですよね。自分から離れたところにあるなにかしらに触れられることがある種の快感なわけです。そのノイズを許容できる余裕を持てている自分は幸運なのかもしれません

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年8月4日
読了日 : 2024年8月4日
本棚登録日 : 2024年8月4日

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