とらわれびと: ASYLUM (講談社ノベルス ウF- 4)

著者 :
  • 講談社 (1999年10月1日発売)
3.36
  • (12)
  • (20)
  • (60)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 189
感想 : 25
4

手に入れるのに手間取り、前作を読んでから少し時間が経ってしまった。
安藤直樹はラストのワンシーンのみの登場で、本書でキーパーソンとなるのは『記憶の果て』で安藤と喧嘩別れした金田忠志。存在しないはずの妹が友人の兄を殺したのか?
謎を追っていくとともに狂っていく、その過程を描くのが狂気的に上手く、この目眩感はなかなか味わえない。
全体として見ると少しずつミステリの枠に近づいてきているが、内容自体は更に上の領域へと進んでいったように思える。"妊娠している男"という常軌を逸した謎から手繰る、倫理を超えた実験。
この作家はどこまで行ってしまうのだろう。
そんな風に思わされる。

うーんでも、亜紀子は3人の父親を恨んでいてっていうのは必要だったのかな...
亜紀子って今までの作品に出てきてたっけ、と読んでいる間ずっとモヤモヤしてしまった。





読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月24日
読了日 : 2022年1月23日
本棚登録日 : 2022年1月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする