手に入れるのに手間取り、前作を読んでから少し時間が経ってしまった。
安藤直樹はラストのワンシーンのみの登場で、本書でキーパーソンとなるのは『記憶の果て』で安藤と喧嘩別れした金田忠志。存在しないはずの妹が友人の兄を殺したのか?
謎を追っていくとともに狂っていく、その過程を描くのが狂気的に上手く、この目眩感はなかなか味わえない。
全体として見ると少しずつミステリの枠に近づいてきているが、内容自体は更に上の領域へと進んでいったように思える。"妊娠している男"という常軌を逸した謎から手繰る、倫理を超えた実験。
この作家はどこまで行ってしまうのだろう。
そんな風に思わされる。
うーんでも、亜紀子は3人の父親を恨んでいてっていうのは必要だったのかな...
亜紀子って今までの作品に出てきてたっけ、と読んでいる間ずっとモヤモヤしてしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月24日
- 読了日 : 2022年1月23日
- 本棚登録日 : 2022年1月23日
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