Yの悲劇 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (1959年8月30日発売)
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本棚登録 : 1425
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4

素晴らしい作品なのは間違いないのだが、個人的には『Xの悲劇』の方が好み。
海外ではX、日本ではYの方が評価が高いというのに何となく納得。

Xと違って論理だけで構成されているというわけではないが、美しい論理は健在。

梨に室内で毒を入れる、ヴァニラと靴という二つの道具により二人の異なる人物に容疑を向けてしまっている、実験室のドア付近はホコリが残ったまま、などの言われれば分かる"ちぐはぐさ"だったり、つま先立ちの跡など、犯人を推理する根拠は十分すぎるほどあり、そして犯人がなぜマンドリンを凶器に選んだのかという理由はとても面白い。

床几が薬棚の前に置かれていたことから「もしや?」とは思っていたがまさか本当に犯人だとは。

梨に毒を入れた人物とエミリーを殺した人物は同一人物だという理由も単純だが見事。
最後に明かされる真実も衝撃的...

Xと差をつけるため、評価は☆4で。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月27日
読了日 : 2021年7月26日
本棚登録日 : 2021年7月26日

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