フランス白粉の謎 新訳版 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2012年9月28日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 24
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この長ったらしく、まどろっこしく、かつ隙間のない論理がたまらない。

容疑者を一同に介し、証拠品を机の上に並べ、そして一つずつ論理を組み立てていって犯人を追い詰めていく、という終盤は本当に興奮した。
・犯人は男
・単独犯
・デパート関係者
・6階のアパートメントに直近2週間入っていない
といった条件を見事に導き出し、そしてついに最後の条件!!、と思いきや、何と最後が
「指紋採取用の粉を持っていること、使うことが当然である人物」
という何とも拍子抜けな条件。

指紋採取用の粉が出てきたら警察関係者などを疑うのは正直当然。なのに全く疑わないから、まぁ誰でも手に入れらるから不思議ではないのかな、なんて思っていた。

本当にそれ以外の論理は見事なのに、最後が本当にもったいない。
いやー本当にもったいない。
でも本当にそれ以外の論理は見事。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年9月3日
読了日 : 2021年9月3日
本棚登録日 : 2021年9月3日

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