『日本人本来の自然に対する感覚の根本にあるのは「自然との折り合い」です。』
人間が手入れした自然にこそ豊かな命が宿る。お化粧も子育ても毎日毎日手入れをする。
自然と向き合い、気持ちよく生きる工夫をして生きてきた日本人。山の麓に村があるのは、山から木を切り出し、薪を集め、山から流れくる川を利用し、田畑を耕すのに便利だったからなのだろう。おもうようにならぬ自然を相手に、ただただいい米をつくろうとしていたら里山ができた。厳しい自然と共に生きるには「努力・辛抱・根性」が必要だったのだ。
都市化が進む現代には失われつつある発想や思考が著者の豊かな例えでかかれている。「手入れ」の思想から都市化した現代日本社会がみえてくる。
「知る」ということはただ単に知識を吸収する、情報を得るということではない。
「知ること」とは、知らなかった自分にはもう戻れないということ。
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- 感想投稿日 : 2022年6月26日
- 読了日 : 2022年6月26日
- 本棚登録日 : 2022年6月26日
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