猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

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本棚登録 : 1527
レビュー : 198
著者 :
5552さん 日本の小説   読み終わった 

庄~造~。
なんで?なんでリリーを手放しちゃったの?
元はといえばアンタがそういう性格だからこうなっちゃたんじゃないのー?
と、柄にもないお説教をしたくなるほど、おはなしにのめり込み登場人物達に愛着を抱いた。

谷崎文学ははじめて。
この本は高校生の時にブックオフで100円で手に入れた。
それからウン十年本棚に積んであったが、久世番子さんのコミックエッセイ『よちよち文藝部』を読んで‘日本文学’に興味を持ち家にあったこちらを読むことに。
‘日本文学’に及び腰のビギナーにも安心の薄さ。
中身は軽妙だけど濃かった。

最初に感心したのは読みやすさ。
もっと読みにくいと思い込んでいたが、長いセンテンスの文章でも苦痛に感じずスラスラ読める。
登場人物達の関西弁も、昔風の言い回しも慣れてしまえば心地よく作品世界に浸れる。

その登場人物達の造形の上手さには舌を巻いた。
特に福子がお腰をそこら辺の隙間にたくさん溜め込んでいる描写。福子という人となりが分かり、ちょっとした嫌悪感が一気に襲ってきて、庄造が最終的に「やっぱりわしにはリリーちゃんしかおまへん。ああリリーちゃんに会いたいなあ」となるのに納得する。
品子さんはしっかりものでキツいようだけど、ちゃんと情があって働き者。
でも庄造はバカにされているのが許せないんだね。
わかるわかる(笑)
そして、この作品の女神ことリリーちゃん。
猫好きなら必ず「リリーちゃん、リリーちゃん」になるだろう。彼女の描写が丁寧で、そして堪らなく愛らしい。

登場人物それぞれの‘プライド’のどれに共感するかで性格でそう(笑)

そしてやはり一番賢いのは猫だった(* ̄∇ ̄*)

レビュー投稿日
2017年12月24日
読了日
2017年12月24日
本棚登録日
2017年12月23日
9
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