ミステリー

  • 短歌研究社 (2019年10月11日発売)
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NHK学園短歌講座専任講師も勤められている藤島秀憲さんの第三歌集。
平成25年(2013)から令和元年(2019)までの6年間を収めてある。
ときにシリアスに、ときにシニカルに、自らの人生を歌に詠んでらっしゃると思う。
ときおり亡くなった「ちちはは」のことが詠われている。
「ちちはは」は亡くなってからも子に影響をあたえる存在なのだな、と、父母を亡くしたことのない私には感じる。
55歳で結婚されるのだが、歌がもう、弾けんばかりに嬉しさがこもっていて、こちらまで照れた。
藤島さんの縁ある土地らしく、能登を詠んだ連作『窓』も載っている。

[能登に来て海の不思議を語りだす来春は我が妻になる君]『窓』

[「あの場所」で君に伝わるあの場所に行こうよ花を浴びに行こうよ]『声』

[匂いから金木犀は咲きにけり父いて母いてわれもいた日々]『空』

老いゆく父母を時系列に詠んだ連作『父さんでしたか』もいい。




読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年1月13日
読了日 : 2024年1月13日
本棚登録日 : 2024年1月13日

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