脳の不思議を様々な逸話から説明した本かと思ったら、ハーバード大卒脳科学者である作者の脳梗塞体験記だった。倒れるまで、倒れた後と8年間のリハビリの話。リハビリ時にどういう風に接してくれると嬉しかったかなど、患者目線での示唆があるので、大切な人に脳梗塞で倒れた人がいる場合に参考になって良いかも。だいぶ繰り返しの内容が多かったのだけれど、要は左脳のしがらみから身を解き放って、たまには右脳の「今」に没入してみよう、という自己啓発的な要素が強い本。それにしても「自己」という認識が左脳によって形成されているだけで、そこの機能が低下すると、自己認識も崩壊して「世界と一つになる」感覚に耽溺するようになるというのは驚き。有名な神秘体験にも左脳の抑制・右脳の活性化で説明できるものが多そう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮の100冊
- 感想投稿日 : 2017年1月21日
- 読了日 : 2017年1月18日
- 本棚登録日 : 2017年1月18日
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