Do Androids Dream of Electric Sheep?: The inspiration for the films Blade Runner and Blade Runner 2049
- Del Rey (1996年5月28日発売)
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感想 : 1件
三度目の世界大戦の後、核汚染により地球上の生物のほとんどは死滅してしまった。大半の人間は火星に逃れ、アンドロイドを奴隷として使役しながら生活していた。地球に残された者達は、核汚染が進行し過ぎ、火星への移住が叶わなかった人間と、絶滅を逃れた数種の動物、そして火星での迫害を逃れ地球に逃げ込んだアンドロイドと、それを狩る「賞金稼ぎ」のみだった。そんな「賞金稼ぎ」の一人であるデッカードは、地球へ逃亡した8名のアンドロイド処理の命を受ける。問題は、彼ら新型のアンドロイドは一目見ただけでは人間と変わらず、自身を人間と信じて疑わない者までいる事だった。知らない者はいないであろうSFの定番作品。映画『ブレードランナー』の原作。例の如くタイトルからして難解そうで今まで避けてきたけれども、信じられない程読み易かった。人間と違う点は他者に感情移入できるか否かだけ、というアンドロイド像は興味深い。AIが目覚ましい進化を遂げている中、果たして彼らは「共感性」を得る事ができるのだろうか。本作でも、死を前にしてムンクの絵を欲しがったり、伴侶の死を嘆いたりする様な、実は人間的感性も既に得ているのではないか?と疑わしいアンドロイドが何体か居るのが興味深い。人間とは?を同じく問う『R.U.R.』と是非読み比べてみて欲しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2017
- 感想投稿日 : 2017年11月18日
- 読了日 : 2017年11月16日
- 本棚登録日 : 2017年11月16日
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