宇佐美さんの世界に浸る幸せ。貧困、虐待、邪悪満載。バブル時代の闇金を舞台に人間の際限のない欲望や愚かさが突き付けられる。人を欺き、貶めて生き延びる。読み進むとダブル主人公の女性社長、取立人双方の母親への恋慕が見える。人生は儘ならない。時に人は猛烈に弱く、惨く醜い。囚われてしまった人たちの邂逅が物語を温かなものにする。「夫と子供を一度に亡くしたマキ子はそれでも生き続けた。人間的な感覚の一部に蓋をすることを覚えた。没感情になること。愚鈍になることでその後の人生を生き抜いた。何も期待しなければ何も起こらない」
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月22日
- 読了日 : 2018年6月16日
- 本棚登録日 : 2019年1月22日
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