身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本

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  • 大和出版 (2012年5月16日発売)
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本文174ページより

人にはそれぞれ事情があります。
持って生まれたもの、今までの人生で経験してきたこと、今現在抱えている問題など、いろいろな事情があって、その中で一生懸命生きているのです。手を抜いているように見える人であっても、今それ以上にがんばれない事情がなにかしらあるものです。

今までの人生で否定され続けてきたためにやる気が出ないのかもしれませんし、失敗が怖くて前進できないのかもしれません。うつ病なのかもしれません。あるいは発達障害などの問題があって、普通の人には当たり前にできることができないのかもしれません。詳細は分かりませんが、それぞれの事情の中でベストを尽くした結果が現状である、ということさえわかっておけば充分です。


水島医師の言葉は目から鱗だ。

「攻撃」する人を、「困っている人」と見ることを習慣にしていくと、それが私自身を大切にすることに繋がり、自分が「被害者」の役割から解放され、苦痛から逃れられる。

自分が悪いから、私が「攻撃」されるという認知を、相手は今困っている人なんだなと置き換ええるだけで、しのげそうな場面は日常にいくつもある。

「攻撃」は人間が生物として「脅威」を察知した結果のもの。「脅威」を感じた生物は、「逃避」か「闘争」のいずれを選択する。サファリを思い浮かべよう。

誰かから攻撃されたり、自分への反応が期待したものでないとき、私は自分に非があるのではと自責の念に苦しむのが日常。この癖から抜けきれない。

さらに自己評価がとても低いので、他人に肯定してもらわないと不安定だという指摘は図星。
だからこそ、他人の「攻撃」や叱責に過敏で脆弱。それ故事前に万全の態勢で準備するという悪循環の人生だ。

他人の反応や評価に自分の人生のハンドルを委ねるなんて、もうやだな。

自分の感覚、感情、行動選択の軸を自分でしっかり握っていることは、すなわち、自分と他人の境界線をはっきりと引き、怒っている人の土壌に引きずり込まれないことを肝に銘じよう。

本著の表題はドキッとするけれど、実はこうした人間関係に日頃悩み、ストレスを抱えている。自分を抑え込んで、相手に合わせるのか、自分の居場所をしっかり確保できるのか、生活の質の大きな差になりそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年2月4日
読了日 : 2020年2月2日
本棚登録日 : 2020年2月2日

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