全てが丸見えの社会とはーーー。
食事、くつろぎの時間、セックス(これだけは一応、非公開にすることもできる)等自分のプライバシーを互いに公開し合う社会が舞台となっている。
私たちには異常な状況に思えるが、生まれたときから社会がその状況であれば、特に違和感はないのかもしれない。
そんな相互監視状態の中、一家が失踪し、やがて夫婦が死体で見つかる…という話。
安全神話はいとも簡単に崩れ去った。人間、いくら法で雁字搦めにしたところで、犯罪が完全になくなる訳では無いようだ。
途中までは面白かった。透明な生態観察ハウスに暮らす人々の価値観、見られていることによって生活がどう変わるのか、興味を持って読んだ。
しかし、途中からそう多くもない登場人物の誰が誰だか分からなくなり、都度、登場人物一覧に戻ることになり、煩わしかった。
これは、登場人物個々の魅力や特性に差別化ができなかった(つまり、誰なんだ?今喋っているのは…ああ、誰々の姉ね…ところで、誰々の姉ってどんな人だっけ?という疑問が繰り返される)ためだと思う。
そんなこんなでさらっと読み終えてしまった訳だが、もうちょっと捻りある犯罪を考えてほしかったところ。
実は地下室を作っていて、そこに子どもを閉じ込めていた…なんて、ねえ?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年11月13日
- 読了日 : 2024年11月13日
- 本棚登録日 : 2024年11月13日
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