兄やその恋人、上司や同僚、中華料理の店員に至るまで、自分以外の登場人物の尽くが宗教団体のキーパーソン。自分は教祖の血を引く唯一の人間であるが自らはその事実を知らない。ご都合主義をテーマとしないご都合主義には嫌悪感がある。
後半にかけてのドタバタと事態を収束させる無理やりな幕切れにも満足しきれない。
また、山の民も海に憧れるという点には同調するが、山と里の合間に生きるものが浪民という考え方には相入れない。山地と平野の境目、ちょうどノといわれるあたりこそが人の好む地である。
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- 感想投稿日 : 2021年1月14日
- 読了日 : 2021年1月14日
- 本棚登録日 : 2021年1月2日
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