『鼠年』 感想メモ
・現実なのか妄想なのか判別がつかない
→信頼できない語り手
・簡潔かつハードボイルド的文体
『異邦人』を想起させた
・物語世界の全貌を把握できないから、ある意味、読者も「グレートゲーム」に参加している
・人間/鼠の境界が曖昧になる→脱構築的
人間が野蛮なことをして、鼠が人間的なことをする
→最近読んだ『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』もまた、人間/アンドロイドの区別が曖昧になる
・鬱屈とした世界観→ディストピア的
人を生産性によって測る恐ろしさ
→ ニートを”国益”のために奉仕させる現代的ディストピア
・先行きの見えない若者が抱える鬱屈とした思い
・遺伝子操作によって生まれたグロテスクな鼠
→ 人が作り出したものを人が処理する虚しさ
・就職難は、現代の中国のことなのか?
・教官は、武勲を上げることで、自らの生を肯定しようとする→WW1やWW2でも、若者は同様のことを言って戦地に赴いた
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- 感想投稿日 : 2022年10月16日
- 本棚登録日 : 2022年10月16日
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