聖者が殺しにやってくる

  • 角川書店 (2013年3月22日発売)
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感想 : 4
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代々続く名家で起きる、連続見立て殺人事件。因習に縛られた閉鎖的な田舎町に年に一度集まる親族たち、隠れキリシタンに14年前の悲劇――。クラシック・スタイルに新風が、との煽り文句でしたが、都市伝説探偵なるキャラ付けもさほど濃いものではなく、極めてオーソドックな枠に収まっています。伏線の仕込みや論理展開など、ミステリとしての出来は悪くないものの、ソツなく纏まりすぎて、やはり既定路線な感からは抜け出せません。広大なミステリの海原で埋もれないためには、おしゃま(死語?)な女子小学生とのコンビ捜査をより強調してみせるなり、謎や真相に独自性を持たせるなりしないと、なかなか難しいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013年 読了本
感想投稿日 : 2013年6月3日
読了日 : 2013年6月1日
本棚登録日 : 2013年6月1日

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