いかれころ

  • 新潮社 (2019年6月27日発売)
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感想 : 15
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三島由紀夫賞受賞時の動画を見た事がきっかけで読みました。

昭和の大阪南部が舞台なので、河内弁、今では使われない俗語などが端々に使われています。
私は幼少期大阪南部で暮らした事があるので、
言葉やニュアンスが何となくつかめましたが、
馴染みのない方にはわかりづらいのではないでしょうか?

4才の女の子の視点でストーリーが進みます。
このくらいの子どもって、大人が思うよりうんと冷静に事実を見ているもので、大人のいやらしさ、狡さ、嫉妬、衝動性などが生々しく綴られています。
切ないような、苛立つような、或いはどうでも良いよめんどくさいなぁというような感情が混ざり合って沸いてきます。
そして、これって自分の幼少期にも感じた事のある感覚だと思い出し、なんとも暗い気持ちになってしまいました。

閉塞感のある家庭、社会が幼い子の世界の全てだから、当たり前にこの中で立ち回って生きるしかないんですよね。

作者のテーマが何だったのかをストーリーから受け取る事ができませんでした。私には合わなかったのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月11日
読了日 : 2021年5月18日
本棚登録日 : 2021年5月18日

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