正岡子規と云う、日本でコアなファンの多そうな、人気の高い人物を扱うと云う、作家冥利に尽きる以前にプレッシャーは無かったのだろうかと思い、実は然程期待せず手にしました。何より、著者自身が正岡子規贔屓と云う事、然れば逆に筆が走りすぎてファンタジーになったりしてやいまいか、「私家版子規」像が出来上がっていて、これまで自分が読んで、見て、想像に描いてきた子規像をぶち壊されたりしないかとか、若干の不安も抱いていました。
が、その部分は流石名著作者、貫禄ある作品として収まっていました。随筆、日記、写真、又は同時代を生きた人たちの手記や評伝も多数有る為、非常によく勉強されて、それでいて非常に謙虚な文章が好感を持てました。
小説と銘打ってはありますが、評伝に近い位とも思うほどでした。910.26寄りの913.6。
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- 感想投稿日 : 2018年5月1日
- 読了日 : 2018年4月30日
- 本棚登録日 : 2018年5月1日
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