「知」の革命家ヴォルテール

著者 :
  • 柘植書房新社 (2008年11月20日発売)
4.00
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
感想 : 1
4

ヴォルテールに関する前知識はほとんど無い状態で読んだ。

まず印象に残るのはルソーとの対立。
2人とも対面したら殴り合いしかねないほどの手紙のやり取りで、神格化されがちな哲学者の人間くささを感じることができた。

ヴォルテールの生い立ちから晩年までが書かれており、どんな人生をたどったのかダイジェストで分かる。
貴族とやりあって下僕に棒打ちされたり、当時は過激とされる思想の本を出版して国を追放されたり逃げたりと波乱万丈の人生を送っている。

カラス事件のエピソードでは、当時の宗教で「自殺」をすることはその一家の財産が没収されるほどの大罪であり、それを隠すために父親が子供殺しの冤罪で死刑にされるというおぞましい事件があったことを知れた。
そのカラス事件に対して世論に訴え、最終的に子供殺しの汚名を返上させたヴォルテールの行動力は尊敬できる。

ヴォルテールのことが好きになれる本だった。
「カンディード」読んでみよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月19日
読了日 : 2020年8月12日
本棚登録日 : 2020年8月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする