綾辻行人7年ぶりの長編新作です。
待望の続編だったので、期待しすぎた感じが影響しないといいなと思いつつ読み始めましたが、、、。
そんな心配は全く無用で、Anotherの世界にどんどん引き込まれてゆき、早く読んでしまいたい気持ちもあったのですが、それももったいなくて、ゆっくり噛み締めながら味わいました。
「AnotherエピソードS」の比良塚想が今回の主人公。
彼が2001年、夜見北中の3年3組の一員になり「ある年」だった場合「いないもの」を自ら引き受けます。
エピソードSでの想を思うと、読み進めるうちに想の思考や態度から自ずと先を想像してしまうのですが、そんな甘い推理通りには進みません。
3作目ならではの展開がさらに待ち受けており、期待を裏切りませんでした。
怪しいなぁとか、この展開、嬉しいなぁとか、さすがホラーと思うような不気味でゾワっと鳥肌が立つシーンもありました。
Anotherは「記憶」がメインで、今回はその改竄の瞬間の世界も感じられます。
学園ホラーであり、青春、ミステリー、読後は毎回切なくなり、この思いをどうしようと本を閉じます。
大好きな綾辻行人の綺麗な表現と世界観に浸れて、心を洗浄していただきました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年10月7日
- 読了日 : 2020年10月7日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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