シアター! (メディアワークス文庫)

3.94
  • (1289)
  • (2188)
  • (1262)
  • (129)
  • (23)
本棚登録 : 13251
レビュー : 1549
著者 :
制作 : 大矢 正和 
kanegon69 さん  未設定  読み終わった 

読む前から分かっていました。絶対面白いって。読者がこの感覚を持てる作家さんはそうはいないです。でも自信がありました。

いじめられっ子の弟。なかなか周りになじめない弟を何かにつけ庇う兄。父親はお金にもならない劇団に没頭し、家庭を顧みず母親と離婚している。弟は人との付き合いは苦手だが、不思議なことに古い戦隊モノの人形で次々に想定の設定を変えながら、新しい話で遊ぶ。変わった子だなと思っていた兄。そんな弟が育って、小劇団を主宰する。まったく儲けにならず、劇団が解体寸前で弟は兄にまた泣きつく。一般の会社でバリバリの営業として働く兄は、いろいろダメだししながらも、弟のことになるとなんだかんだ面倒を見てきたが、今度ばかりは強い態度ででる。お金は貸すが、2年以内の同じ利益を出して返させないなら劇団をつぶすという約束。果たしてこの劇団の運命はいやかに、、、

一つの事に夢をもち、それに同調した若い人たちの集団。夢って青臭いけど、やっぱり眩しい。そしてそれに向かって努力している人たちは素敵だと思ってしまう。だけど、兄の言う事は、サラリーマンなら至極もっともで、学生からそのまま劇団というのも、一般的経済感覚(お金の収支に関する常識)が欠ければ当然団体の継続は不可能。兄の力はなくてはならないものとなっていく。あぁ、でも男同士の兄弟ってのもいいもんだなぁって思いましたね。私は姉弟だったので、こんな頭ひっぱたくようなノリはかえって羨ましいです。兄の罵倒するときの口癖、「お前、吊るすぞ!」。これ何気に大好きです!吊るすって何?と思いながら、なんか愛情感じていいなぁって思ってしまう。俺は兄ちゃんが欲しかったのか、はたまた弟が欲しかったのか、、自分の性格考えると、弟が欲しかったんだろうなぁ。「お前、吊るすぞ!」といいながら、裏でしっかり支える兄。素敵だ!

「シアター! 」では始めから続編を書く気だったのか、二年後までは書かれておらず、最初の大きな講演までの悲喜こもごもの様子が非常に丁寧に描かれています。「シアターー!2」も必読ですね!

しかし、有川さん、こんな素敵な本、たった3か月で取材して書けちゃうんですか!なんてすごい作家さんなんだろうと感心しきりです。全部制覇したい作家さん2人目決定です!

レビュー投稿日
2019年4月30日
読了日
2019年4月30日
本棚登録日
2019年4月30日
5
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『シアター! (メディアワークス文庫)』のレビューをもっとみる

『シアター! (メディアワークス文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする