キケン (新潮文庫)

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本棚登録 : 7053
レビュー : 657
著者 :
kanegon69 さん  未設定  読み終わった 

この本は私にはたまらない郷愁を呼び起こした。私も大学時代は理系。やっぱり女子はほとんどいず、99%男子の世界。文系の学部の方がうらやましくてしょうがなかった。はるか昔のことなのについこの前のように思い出してしまう。有川さんの作品にはそんな力がみなぎっている。私の場合は、理系の部活はやっていなかったが、自分たちの代で仲間たちとサークルを起こした。テニスにスキーに、バカ騒ぎをしたものだ。さすがに爆弾はないが 笑 私もいまだから言えるが、悪いことしちゃってます。当時の大学があった京都から、信州のペンションまで大量のビール瓶を購入して、こっそり運んだのだ。何人かの限られたメンバーだけでこっそりと。目的は、、私が一度やってみたかったあれ。プロ野球選手が優勝したときにやるビールかけ。合宿の打ち上げに派手にやろうぜって、こっそり打ち合わせ。行きのバスの中で発表したら、物議を醸しだし、「やめるべし!」という部員もでてきて、モメモメ。でも会長特権で「うっせー。やるったらやるんだ!」と強行。合宿の最終日に、隠していた大量のビール瓶を持ち出して、なんもないひらけたところで、「おめーら いくぞぉー」の掛け声とともに一斉にビールを掛け合う。背中にもぶち込んだり、もうハチャメチャ。いやぁ楽しかった。。 で、宿に帰った部員たち。当然ビールでびしょ濡れ。ペンションのオーナーは「隠れてビール持ち込みしやがった」と激怒。平謝りに平謝りで、とにかく謝った。一生懸命、説明して謝りまくった。今考えればマナー違反もいいところ。地元の皆さんにもほんと申し訳ない。でももう相当昔なんで許して下さい。。そんな懐かしいメンバーとも、大学は京都だったので、男同士はやっぱ転勤やらなにやらで全国へ散っていく。次第に年賀状だけの仲に。いまだに会っているのは、バカをやった中心人物のうちの一人だけ。

この「キケン」は、そんな男子の心情を見事に描いている。この人ほんとうはやっぱり男性じゃぁないの?と思うぐらい、うまい!主人公が、卒業後に学祭に行けなかった気持ち、まったく一緒だ。どうしてこんな気持ちわかるんだろうって思いました。私も、自分たちで立ち上げたサークルが、もう自分たちのものでないような寂しさを感じ、なんとなく行けなくなっていました。
しかしラストシーンで、10年後に学祭に行った主人公。懐かしいメンバーの黒板のメモ(というか落書き?)を見る。私もまったく泣く予定のなかった小説で、ボロボロっと泣いてしまった。。多分自分に重ねてしまったんだろう。あぁ、なんて素晴らしい仲間なんだ。。本当に素敵だ。。

ちなみに私が仲間たちと立ち上げたそのサークル、いまでも健在で、はるかに若い子たちが運営してくれているようです。どんだけ長く続いてんだって驚き。

でも首都圏に来てしまったから、、というのを言い訳に、やっぱり見に行けない。男って面倒でしょ? 笑 そのくせ毎年の年賀状で、「まだ続いているみたいですよ!」とお互い言い合う。何気にお互いチェックしているんだな 笑

有川浩さん、いっきにタイムスリップさせてくださってありがとうございました。ストーリーの引き込み力は抜群だし、エンディングも最高!

レビュー投稿日
2019年4月20日
読了日
2019年4月20日
本棚登録日
2019年4月18日
3
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『キケン (新潮文庫)』のレビューへのコメント

kanegon69 さん (2019年4月21日)

いいですねぇ。当時の仲間たちとの再会場所に出来ると楽しいですねぇ。今度はビールかけなしで! 笑

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